放蕩記

科学ライター 荒舩良孝の日記

生活

令和が始まった

今日から令和が始まった。

前回の改元では、元号が変わるだけで、空気感が変わったなという気分はなかった。
それは昭和天皇が崩御された直後で、日本中が沈んでいたからなのだろう。

今回は、テレビ、新聞などの報道に接したり、街などを歩いたりする中で、新しい時代の空気というものを感じた。
日本全体がお祝いムードで、新しい時代をいいものにしようという空気がにじみ出ていた。

正直な話、30年前は天皇は僕にとっては遠い存在だった。
しかし、平成から令和に変わる現在は、以前よりも身近に感じている。
振り返ってみると、上皇陛下は、30年かけて日本と日本国民の統合の象徴としての姿を体現したのだと思う。
その姿に、少なからず僕は親近感を覚えた。
この数年の言動を振り返ると、上皇陛下は平和主義の日本国憲法を、そして、日本国憲法の規定する民主主義のあるべき姿を示してくれたように思う。

毎日新聞に掲載されていた神戸女子学院大名誉教授の内田樹さんの文章は、
「前の天皇陛下が訪問される先々に、大勢の人が集まったのは、イデオロギーは関係なく、前の陛下個人への評価と感謝があったからだろう」
という一文から始まっていた。

この意見は、僕も同感だ。
この上皇陛下の想いは、新しい天皇陛下にも受け継がれるだろう。

そして、 天皇陛下と共に歩む、僕たち日本の国民が、日本と日本国憲法の新しいアイデンティティを見出していくのではないだろうか。
そうすれば、日本にあった平和主義、民主主義が自然とこの国に根づいていくのではないだろうか。

僕は、ふだん、日本国憲法のことなど考えずに生活をしているが、今日はなぜか、そんなことを考えた1日だった。 

上皇陛下はハゼの研究者、天皇陛下は水問題の研究者として、世界的に名を馳せている。
そんな機会はないと思うが、もし、両陛下にインタビューできる機会があれば、研究者としての姿勢、研究への取り組み方などを伺ってみたい。 

平成最後の日に、静かに思う

平成も今日で最後だ。
何だか、街中はにわかに年末感が出てる気がする。
今日で平成が終わり、明日が令和になったとしても、僕自身の生活が途切れることなく続いていくので、今日もそのなかの1日に過ぎない。

だが、せっかくだから、この30年を振り返っておきたい。
僕は昭和生まれだが、過ごした時間は平成の方が長い。
僕にとっては昭和は子どもの時期で、平成はその後に続いた混迷の時期かもしれない。
平成の前半は学生として、今から思うと社会に出る準備をしていたが、1990年代の後半に、縁があって今はなき科学雑誌の記者として働くことになった。
もともと雑誌の記者をしようと思ってなかったところに、ライターをしないかと話があって、半分アルバイトのような感覚で始めた。
まさか、ここまで続くとは思ってなかった。

もともと科学関連の話は好きで、研究者や技術者の話を聞き、記事にまとめるのは苦労もあるけどおもしろい仕事だった。

ただ、脇目もふらずにまっすぐに仕事をしてきたわけでもなく、このままでいいのかなとか、他の仕事をしようかなと思ったこともあった。
でも、ここまで続いたのは、こんな僕でも必要として、仕事くれた人がいたからだ。
これは本当にありがたいことだと思う。
挫折もあったし、紆余曲折して、何とか今に至るという感じだ。

やっと、科学ライターですと胸を張っていえるかなと思えるようになったのは、2010年代に入ってからだ。
本、雑誌、Web記事など、たくさんの仕事させてもらい、いろいろな人と会うことができた。
フリーライターは、基本的に依頼をもらってなんぼのところがある。

だから、必ずしも記者会見などに出席する必要はない。
依頼を受けてから個別に取材を申し込んで、インタビューをすることができればいいから。

でも、ここ数年は、はやぶさ2の記者会見を中心に、興味があるものは、時間の許す限り、そして、主催者に認められる限り、記者会見にも参加するようにしている。

フリーランスにとっては、記者会見に出たからといってすぐに儲かるわけではない。
最近は、ネット中継もあるので、それを見るだけでもいいかもしれないが、やっぱり会見現場に顔を出すことでわかる空気感もあるし、僕の場合は、会見に出続けたことで仕事につながったこともあった。

平成を振り返ってみると、平成は長い基礎固めの時期だったような気がする。
もちろん、その間にも写真を始めたりして、科学ライターという基礎を中心に幅も少しずつ広げてきた。

また、社会に目を向けると、平成は日本の科学力が衰退した時期ともいえる。
僕にとってはそれが気がかりだ。
平成には科学系のノーベル3賞で日本人受賞者がたくさん出た時代でもある。
ただし、その受賞理由となった研究はその多くが20〜30年前に成果を出している。
つまり、日本人のノーベル賞は過去の成果が誰にでもわかる形で表彰されたということだ。
日本の大学や研究現場から聞こえてくる話に耳を傾けると、これからも日本から画期的な研究成果を発信し続けられるのか心配になってしまう。

日本の科学を盛り上げていくには、たくさんの人たちが科学へ関心をもって、科学が文化になっていく必要があると思う。

それに僕がどれだけ貢献できるのかはよくわからない。
もしかしたら、まったく貢献できないかもしれない。
でも、自分がおもしろいとか、興味をもった科学についての話題を掘り起こして、伝えてきたいと思う。

まあ、大きな話をしてしまうと、 収拾がつかなくなってしまうので、まずは自分のできることからコツコツやっていくけどね。

来る令和では、まず、自分の本分、本拠地などを見直して、より社会に役立つように体勢を整えていく。
もちろん、仕事はこれまで通り依頼のあるものはしっかりとおこなう。
そのうえで、自分から提案する企画などを増やして、より自分が主体的に取り組めるしごとを増やしてくつもりだ。

とまあ、つれづれなるままに書き連ねてしまったが、一言でいえば、令和になっても、引き続きよろしくということだ。
今後も、ご贔屓に。

 

滑りこみムンク展

東京に戻ってきた。
今日は、ちょっと迷ったけれど、上野の東京都美術館で開かれていたムンク展に行ってきた。
本当は18日の夜に見にいこうと思っていたけれど、諸般の事情から見にいけず、最終日に滑りこむことになったのだ。 
最終日だからたくさんの人が詰めかけるだろうと思っていた。
実際に行ってみると90分待ちの表示。
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覚悟していたが、90分待ちか。
一瞬腰が引けがたが、チケットも買ってるので、後には引けない。
列に並んで、進むことにした。

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長い時間待つのはわかっていたので、持ってきた本を開き、読みながら、列についていった。
90分待ちという割には進みは早い。

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建物の中に入ったのは40分後。
でも、先は長そうだ。
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結局、展覧会場に入ったのは70分後。

展覧会自体は、とても見応えのあるものだった。
ムンクは自画像をたくさん描いていた画家で、セルフィーの元祖と言ってもいい存在だったことや、人物画もたくさん描いていたことを初めて知った。
また、同じ主題でいくつものバージョンがあったり、技法や表現を追求していたりしたことを知ることができてよかった。

もちろん、有名な叫びの現物を見ることができたのもうれしかった。
が、叫びと絶望は、絵の前で止まらず見ることを促されたので、自分が工業製品になった気分になってしまった。
これではあまりにもしっかりと観られないので、その後、ちょっと後ろの方からじっくり見ることができたからよかったけれど。

今回は、滑りこみでムンクの作品をたくさん見ることができて、充実した時間を過ごすことができた。

2020年の夏にはオスロのムンク美術館がリニューアルオープンするようなので、機会があったら見にいきたいな。
 

2019年は飛躍の年へ

明けましておめでとうございます。

2019年がスタートしました。
今日は、初日の出を見にいきました。
もちろん、写真も撮りましたよ。

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行った場所は成田空港の近くにある航空科学博物館。
今日の日の出の時間帯は、東の空に厚い雲が出ていて、なかなか太陽が顔を表しませんでした。
やっと出てきたのは7時10分過ぎ。
もう随分と白っぽい感じなってしまいましたけど、何とか撮りましたよ。
標準レンズを使ったので、飛行機が虫のようにしか見えないけれど、今年は更に飛躍をしたいという意味合いをこめて、飛行機も一緒に撮りました。
といっても、これは着陸時の飛行機なのですが。

新年早々ハプニングがあって、思い通り行かない部分もありますが、世界に飛び立てるように、がんばっていきます。

チャレンジしたり、実現したいことがたくさんあるので、1つ1つ取り組んでいきたいと思います。
 

今年もありがとうございました

間もなく2018年も終わろうとしています。
今年もいろいろとありましたが、何とか年末を迎えることができました。
とはいうものの、仕事がなかなか納まらずに、僕は今日も仕事をしています。

果たして、仕事は納まるのか。
大晦日にして、スリルとサスペンスに満ちた展開ですね。

今年も、たくさんの仕事をさせてもらいました。
科学雑誌のNewtonでは、ニュースページのFOCUSだけでなく、別冊のインタビューなども担当させて頂きましたし、子供の科学、天文ガイドなどでもたびたび記事を書かせてもらいました。
それ以外に、新し媒体にも記事を書かせて頂いて、ありがたい限りでした。
また、記事にプラスして写真を掲載して頂く機会も増えたと思います

2019年は、さらにいろいろな仕事にチャレンジしていきたいです。
たくさんの人に会って、様々な場所に行けるようにがんばります。

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写真は、飛行機で移動したときに撮影した富士山。
今年は、お鉢のところに登ったんだなと感慨深いです。

今年もたくさんの人たちにお世話になりました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。