放蕩記

科学ライター 荒舩良孝の日記

2018年05月

中性子星の半径がより正確にわかった?

今日の話題は、少し物理学の専門的な話になってしまうと思います。
なるべくわかりやすく書こうと思いますが、私の理解も追いついていない部分もあるので、そのあたりは少しご勘弁下さいね。

Twitterを眺めていたら、アメリカの重力波観測施設LIGOチームのtweetが流れてきた。
どうやら2つの論文を発表したようだ。
その中でも、おもしろそうだったのが2つ目の論文。


 この論文は、去年の8月17日に観測された重力波に関係している。
この重力波は2つの中性子星が合体したときに発生したもの。
連星中性子星合体による初めての重力波ということで、とても注目された。

要約の部分をざっとしか読んでないが、どうやら、重力波の信号やそのとき同時に観測された電磁波観測の結果などを加味すると、今回衝突した中性子星の半径は11.9km(±1.4)ということになるらしい。
しかも、中性子星の質量も太陽の1.97倍以上であればという条件も付いていたので、質量と半径が決まることになる。

中性子星は今でも謎の多い天体で、半径はだいたい10kmほどといわれているが、それもよくわかっていない。
もちろん、その内部もよくわからない。
そのため、その内部を予測するモデルもたくさん提案されている。

連星中性子星合体の重力波が観測されたことによって、どのモデルが正しいという議論がより激しくなって、中性星の内部がどうなってるのかもよくわかるようになるだろう。

といっても、素人がざっと読んでいるだけなので、不正確な解釈も多分にあるだろうが。

近々、物理学者の人たちに会う機会もあるので、この論文についての見解などをお伺いして、理解を深めたいところだ。
 

文字起こしの当面の解決法

5月20日のこの部ブログで、文字起こしについて書いた。

 文字起こし攻略法はあるか?(放蕩記)

すると、知り合いから、取材の音源を聞きながら、音声入力をしているという情報が寄せられた。
やはり、現状はそれがいいのかなと思い、早速試してみた。
まずは手軽なところで、Googleドキュメントの音声入力機能を使う。

Googleドキュメントは、どのブラウザでも使えるが、音声入力はChromeでないと使えないらしいので、Chrome上で、Googleドキュメントにログインする。
取材音源はイヤホンで聴いて、聞いた言葉を自分の口に出して、音声入力をしていく。
外付けマイクなどを使えば、より正確に入力できるかもしれないが、少し面倒なので、MacBook Proの内蔵マイクに向かって少し大きめの声を出す。

わりと正確に文字化してくれるが、ときおり誤字になったり、音声認識が上手くいかないときがあり、その都度、チェックして、手で入力し直す。

少し面倒ではあるが、いちから手で入力するよりは面倒くさくはない。
作業時間は少しは短くなったかなという程度で、劇的に短くなったとか、労力が減ったという感じはないというのが、正直なところだ。

手を動かさない代わりに、声を出しっ放しになるので、そういう疲れもあった。
音声入力をしていた妻には、「何やらコンピュータを教育しているように見えた」らしい。
まだ慣れていないから、慣れたらもう少しサクサク作業できるのかもしれないが。

なかなか楽に仕事を進められないな。
現状は、取材音源を聞きながら、音声入力するというのが、いい方法なのかなと思います。
このあたりのことは、もう少し研究して、また報告します。
 

ニトリの立て看で感じたこと

今日、仕事の合間に、ニトリをぶらっとしてみた。
ニトリといえば、数年前までは郊外に店を展開していたが、最近は都心部の商業施設の中にも積極的に出店している。
今日ぶらついたのは、そんな商業施設に出店したお店だ。

で、店の入り口の立て看を見て、ちょっとびっくりした。

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アプリを利用して、手ぶらショッピングを推奨していた。
ニトリアプリで商品バーコードをスキャンすれば、買い物が楽にできるというもの。
会計はそのお店でしてもいいし、ネットショップでもOKということらしい。

ニトリで扱っている商品はかさばるものが多いので、 商品を持たずに買い物ができるのは、確かに便利そう。
ちょっと時間はかかるが、宅配してくれるし。

少し前に、デパートなどがネット通販のショールーム化して問題になっているというニュースがあったけど、ニトリは実店舗をショールーム化しようとしている。
お客は目の前で商品を見ているので、ネットでも店舗でも、イメージが違うと言うことはあまりないし、ニトリは「お値段以上」というキャッチコピーなので、わりと安いイメージなので、他のお店で買おうという気持ちも起きない。

ニトリからすれば、実店舗でもネットでも売上につながればいいので、2段構えでお客を囲い込もうという作戦だろう。

この流れは、売り場面積の少ない都市部で加速するかも。
今、都市部の店舗は大きな家具をあまり置いていないが、店舗に見本となる商品をディスプレイしたり、体験できるようにして、アプリやネットで注文を受け付ければ、実店舗で商品を体験したお客さんがより注文しやすくなるかもしれない。

ネットと相性のいい商品を扱う企業は、こんな感じで、ネットと実店舗が融合していくんだろうなと、ぼんやりと思った。
 

朝ドラに出てきたロボット

4月から始まったNHK朝の連続テレビ小説「半分、青い」は、主人公が同世代ということもあり、楽しく見ている。

主人公 鈴愛の幼なじみの律は東京の私立大学である西北大学に通っている。
この大学のモデルは都の西北 早稲田大学だろう。
で、今日の回では律は西北大学の宇佐川教授が開発した「ROBOYO」に出会う。
この「ROBOYO」のモデルは、早稲田大学で開発された「WABOT-2」だ。
WABOTは、早稲田のロボットから命名されている。

日本で人型ロボット(ヒューマノイド)というと、ホンダのASHIMOを思い浮かべる人も多いだろう。
だが、実は、早稲田大学では1973年に世界初のヒューマノイドであるWABOTO-1がつくられている。
鍵盤演奏ロボットのWABOT-2は1984年に開発されもの。

律が西北大学に入学したのは1990年で、その頃は、WABOT-2 mkIIが開発されていたようなので、年代的にも一致していた。
ちなみに、WABOTの歴史に関しては、こちらを見るといいだろう。

僕は、当時、まだ高校生だったので、当然、取材活動はしていないが、2000年代に入ってから、早稲田大学でロボット研究を引っぱってきた菅野重樹先生に何度か取材したことがある。
管理が悪くて、取材記事がすぐにで来ないのだが、出てきたらまた報告したいと思う。きょ

律がこれから、どんな技術に出会うのか、そういう視点からも見るのもおもしろそうだ。

それにしても、宇佐川先生は少しエキセントリックに描かれすぎではないだろうか。
ドラマだから仕方がないのかも知れないが、研究者だからってエキセントリックとは限らない。
もう少し落ちついた研究者が登場してもいいと思うけどね。
 

手軽な健康器具

人間、適度に運動をしないと、体の調子が落ちてしまう。
特に、都市部に住んでいると、運動不足になりがちだ。

で、運動不足の体でがんばって運動をしようとすると、調子を崩してしまうという悪循環に陥ることがある。
だから、まず、自分の体を運動できるように、硬い部分をほぐしていく必要がある。
最近、僕が重宝しているのが、この器具。

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何だ? 酸素分子か? という声が聞こえてきそうですが(え? 言ってない?)…。
これは、テニスボールを2つテープでとめたものです。
材料はこれだけなので、300円くらいでつくれます。

使い方は簡単。この上にほぐしたい部分を乗せるだけ。
例えば、背中の場合は、この2つのボールの真ん中に背骨が来るように体を乗せて、体を左右に揺らすと、背骨の脇がほぐれます。

僕は時間があるときは、尾骨のあたりから少しずつボールをずらして、頭の方まで、背骨の脇をほぐすようにしています。
こうするだけでも、かなり気持ちいいです。
特に、腰や肩甲骨の脇はかなり効きます。

お尻の場合は、片方のボールでお尻の筋肉をほぐすように乗ると効きます。

お尻や肩甲骨周りがほぐれるだけで、疲れが取れて、体が軽くなるので、ぜひ試してみてください。

ちなみに、これと似たような形状の健康器具も売っているけど、安いもので1200円くらいするので、テニスボールでつくった方が経済的です。
へたってきたなと思ったらつくり変えればいいだけですからね。