放蕩記

科学ライター 荒舩良孝の日記

2016年07月

お仕事紹介

理化学研究所の活動などを紹介した広報誌RIKENを頂きました。

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理研で活動している研究グループの最近の研究成果などが、コンパクトに紹介してあります。
僕もいくつかの記事を書かせてもらいました。

Web上で公開されていて、このページからも読むことができるので、興味がある人は読んでみてください。
 

東京都知事選期日前投票

明日は東京都知事選の投票日。
誰が東京の新しい顔になるのか楽しみだ。
誰がなってもかなり微妙な感じもするが、それでもその中で最善だと思う人を選んで票を入れるしかない。

僕は明日は時間内にいけそうにないので、期日前投票に行ってきた。
政治に対して期待感がないのは、世界的な傾向なのかもしれない。
イギリスもアメリカも、既存の政治に対する不信感がEU離脱やトランプ氏を大統領候補に押し上げる流れをつくったのだろう。
それに対して、日本はどうだろう。
政治に対して不信感を通り越して諦めムードになっている気もしないでもない。 
今回の都知事選も、国絡みのゴタゴタが引き金になっている印象もある。
僕たち一般市民ができることは限られている。
でも、選挙は一般市民が意思表示のできる数少ないチャンスだ。
その機会を有効に使うためにも、明日、投票に行く人は悔いのない選択をして下さいね。
 

アルビノのカエル

昨日に引き続き、今日も読売新聞のニュース記事から。

 金色オタマ、金色のカエルになりました…石川(読売新聞)

この記事では、体の色が金色のオタマジャクシが成長して金色のカエルになったということが書いてある。
金色のカエルの種類はツチガエルで、ふつうは褐色をしているものだ。
記事のカエルがなぜ、金色をしているかというと、色素が欠損しているアルビノという個体だからだ。
アルビノの個体は色素がないので、白色になるものが多いが、ツチガエルの場合は金色に見えるのだろう。

アルビノの個体は、 ツチガエル以外にもヘビ、ネズミ、ネコ、カラスなど、いろいろな動物で発見されている。
昔の記事を読み返してみると、僕も20年前にアルビノのカラスについてのニュース記事を書いていた。

アルビノの個体は長生きしないといわれているが、今回のカエルはどこまで生きられるのだろうか。
長いきしれくれるといいな。 

H-IIBロケットの機体公開

読売新聞のWebにH-IIBロケットの機体公開の記事が掲載されていた。

 大型ロケットH2B公開…こうのとり載せ宇宙へ(読売新聞)

普段目にするロケットの画像は、打ち上げのときに遠くから見たものが多いので、大きさについてはあまり意識しないが、人が近くにいるとその大きさを改めて感じる。

次回のH-IIBロケット6号機の打ち上げ予定日時も10月1日午前2時16分頃と決まり、JAXAにも特設サイトがつくられた。
H-IIBロケット6号機で打ち上げられるのは、無人補給船こうのとり6号機。
今回、こうのとり6号機に積みこまれる荷物の1つが、国際宇宙ステーションの新しいバッテリー。
このバッテリーには日本製のリチウムイオン電池が搭載されている。

リチウムイオン電池は飛行機は危険物扱いで、預けることはできない。
小さな容積の中に電気を貯めこんでおくのだから、エネルギーの密度が高くなっている。
そのため、衝撃などがあると発熱し、最悪の場合、発火してしまう。
数年前に起きたボーイング787の発火事故もリチウムイオン電池が原因だ。

そのリチウムイオン電池が宇宙で使われるようになったということは、どういうことだろう。
宇宙に使えるくらい安全な技術が開発できたということだ。
宇宙空間は地上よりも過酷な場所だ。
そこで、リチウムイオン電池が発火してしまったらシャレにならない。
安全審査なども厳しくおこなわれたことだろう。
機会があったら、そのあたりを詳しく取材してみたい。 

キティちゃんと素粒子物理学

今日は午前、午後、夜と外に出かける用事があった。
体感的にはあまり忙しい感じはしなかったのだが、気がつけば1日が終わってしまう感じだ。

それはそうと、ネットのニュースを見ていたら、ちょっとおもしろいニュースが発表されていた。

 六本木で「サイエンス×ハローキティ」発表会 キティが「世界一ノーベル賞を獲らせる男」とコラボ(六本木経済新聞)

キティーちゃんは、これまでいろいろなコラボをしていて、「仕事を選ばないキティさん 集めてみた」というまとめまでつくられてしまうほどだ。

仕事を選ばないといわれるだけあって、ほとんどキティちゃんの原形をとどめていないものや、個人的には「これは断ってもよかったんじゃない?」と思うものもある。
でも、その幅の広さが、キティちゃんの魅力でもあるのだが。

で、今回は、素粒子物理学とコラボというわけだ。
このコラボは、今、東北に誘致しようとしている国際リニアコライダー(ILC)のPRの一環として、おこなわれるもののようだ。
素粒子物理学は硬いイメージがあるので、キティちゃんとコラボすることで多くの人たちに興味をもってもらおうということだろう。
今回のキティちゃんは物理学者っぽさを出すためにメガネをかけているというが、科学、理系というとメガネがマストアイテムなのだろうか。
小惑星探査機はやぶさが映画になったときも、登場人物のメガネ率が高かった。
もう少しメガネに頼らない方法はないものかなと思いつつも、知的な記号という意味ではメガネは便利なものなのだろう。

これをきっかけに科学に目が向けられるといいなと思う。
と同時に、ILCが何をしようとしているのかといったことなどにも興味をもって、本などを読んでもらえたら、なおいいな。